中学受験の繰り上げ合格とは？基準や対象者、最新情報の確認手段を解説

中学受験の繰り上げ合格とは？基準や対象者、最新情報の確認手段を解説
中学受験を控えた親御さんの中には「繰り上げ合格」という言葉を耳にしたことがあるものの、実態がよくわからないという方も多いのではないでしょうか。

本記事では、繰り上げ合格の概要や可能性、連絡が来るタイミングなどを解説します。

繰り上げ合格について事前に把握しておけば、いざとなったときに慌てることなく対処できます。お子さんにとって最適な進路を選択するためにも、ぜひご一読ください。

中学受験の繰り上げ合格とは

繰り上げ合格とは、入学希望者が募集定員を下回った際、不合格だった受験者が繰り上がりで合格することを指します。

なぜ繰り上げ合格が起こるのかというと、合格しても入学を辞退する受験生がいるからです。
一般的に、中学受験では多くの生徒が本命校に加えて、滑り止めとして複数の中学校を受験します。
そのため、本命校に受かった場合、滑り止めで合格した中学校を辞退するようなケースが発生するのです。

繰り上げ合格の仕組み

学校は入学辞退者が出ることを考慮して、募集定員よりも多めに合格者を発表します。
一方、辞退者が想定よりも多く、入学希望者が募集定員に満たない場合、繰り上げ合格が発生します。
具体例は以下の通りです。

150人の定員に対して、170人の合格者を発表したものの、辞退者が30人いたため、募集定員に10人足りなくなってしまいます。
そのため、10人の繰り上げ合格者が生まれます。

補欠合格との違い

繰り上げ合格と混同されがちなのが補欠合格です。
補欠合格とは「正規に合格した志願者が入学を辞退して、募集定員に満たない場合に合格できる可能性がある」という候補の状態を指します。
あくまで候補なので、希望しても必ず入学できるわけではありません。
一方、繰り上げ合格の場合、連絡をもらった時点で、希望すれば入学できます。

繰り上げ合格の可能性

結論、繰り上げ合格に該当する可能性は極めて低いでしょう。
先述した通り、学校側は入学辞退者を考慮して合格者を発表するからです。
また、受験者の動向に左右されるため、前年は10人いたとしても、今年は全く出ないといったケースもあります。
特に、多くの生徒が本命にしている難関中学の場合、辞退者が少ない傾向にあるため、過度に期待しない方がよいでしょう。

【中学受験】繰り上げ合格の基準・対象者

基本的に、繰り上げで合格できるかどうかは入試の点数が基準になります。合格最低点に1〜2点ほど足りなかった受験生が対象になるでしょう。

総合得点が同じだった場合「算数の点数が高い方を選ぶ」といった、学校独自のルールを設けているケースもあります。

中には、繰り上げ合格の基準を公表している中学校もあるので、ホームページや募集要領などをチェックしてみるとよいでしょう。

繰り上げ合格の通知はいつ？どうやって？

繰り上げ合格の連絡はいつ来るのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。
ここでは、連絡が来るタイミングと手段を解説します。

正規合格者の入学手続き後に連絡がくることが多い

入学手続きの締め切り時間以降に通知されるのが一般的です。
早ければ合格発表当日、遅い場合は1か月程度かかる場合もあります。
具体的な日程をイメージしやすいよう、私立留学の入試スケジュールを紹介します。

例えば、青山学院中等部の場合、合格発表日である2月3日（土）中に入学手続きを行わなければなりません。
よって、早ければ2月3日（土）の手続き締め切り後から繰り上げ合格の通知が始まる可能性があります。

候補に挙がっているかはわからない場合が多い

封書などで補欠合格を通知する学校もある一方、事前連絡することなく、繰り上げ合格を通知する学校もあります。
そのため、候補者に該当しているかどうかはわからない場合が多いのです。
情報収集を行い、学校がどのような形式を採用しているのかを把握しておくとよいでしょう。

電話による通知が多い

繰り上げ合格は電話で通知されるケースがほとんどです。
出願時に記入した電話番号宛てにかかってくるので、入学手続き日以降はすぐに電話に出られるようにしておきましょう。
なお、非通知でかかってくる可能性もあるので、非通知の着信を拒否している場合は設定を変更しておくことをおすすめします。

【中学受験】繰り上げ合格の情報をチェックする手段

不合格だったとしても、繰り上げ合格に該当しているか気になる方も多いはずです。
以下の情報をもとに、チェックできます。

• 中学校の公式ホームページ
• ネット掲示板やSNS、ブログ
• 中学受験塾の公式ホームページ

中学校の公式ホームページは最も信頼できる情報源です。繰り上げ合格の速報を公開している学校もあるので、こまめにチェックするとよいでしょう。

ネット掲示板やX（旧Twitter）などで情報収集することも可能です。注意しなければならないのは「情報の真偽が不明」である点です。
あくまで参考程度にとどめておき、鵜呑みにしないようにしましょう。

また、中学受験塾のホームページでも情報収集できます。
逐一チェックして、前日よりも合格者が増加している場合、繰り上げ合格が発生している可能性が考えられます。
ただし「正規の合格者が塾に連絡したタイミングが遅かっただけ」といった可能性も考えられるので、こちらも参考程度にとどめておきましょう。

繰り上げ合格の連絡が来た際の対応方法

繰り上げ合格の連絡はいつ来るかわかりません。忘れた頃に突然電話がかかってくる可能性もあるので、以下の点を参考に対応方法を考えておきましょう。

• 事前に方針を決めておく
• 引け目を感じることなく1人の合格者として判断する

事前に方針を決めておく

繰り上げ合格の連絡を受けた際に、入学意思があるのか確認されます。
電話口で答えなければならないケースが多いので、事前に方針を決めておく必要があります。
その学校が第1志望であれば迷わず入学の意思を伝えましょう。
第1志望本命でない場合で、本命校の合格発表を待っている状態であれば、以下のような選択肢が考えられます。

• より志望度の高い学校の合格発表を待つために辞退する
• 他校の合格発表を待たずに入学の意思を伝える

受験がすべて終わっているようであれば、お子さんの手ごたえや感想などをヒアリングして判断しましょう。
より志望度の高い学校の合格可能性が低いと判断したのであれば、繰り上げ合格で入学するのも1つの手です。

なお、中学校に通うのはお子さんなので、本人の意思を尊重し、気持ちよく入学式を迎えられるように配慮しましょう。

偏差値が低い私立中学でも行く意味はある？どんなケ…

2023年11月17日

コラム

引け目を感じることなく1人の合格者として判断する

繰り上げ合格したお子さんの中には、正規の合格者に引け目を感じてしまうケースがあります。
しかし、実際は正規合格者と1〜2点程度しか差がないことに加えて、学校が「合格」と判断しています。
もし、お子さんが気にするようであれば「入学に必要な学力は十分に備わっている」と伝えてあげましょう。

まとめ｜中学受験の繰り上げ合格について解説しました

入学辞退者が想定よりも多くて、募集定員に満たない場合に繰り上げ合格が発生します。
該当するかどうかは状況次第なので、過度に期待しない方が得策です。

繰り上げ合格は電話で通知されることが多く、その場で入学の意思を解答しなければならないため、合格発表日までには方針を決めておくことをおすすめします。

なお「中高一貫専門塾WAYS」では、中高一貫校生に特化して、一人ひとりに合ったカリキュラムで指導を行っています。
「中学入学後からスタートダッシュをつけたい！」と考えている方はぜひお気軽にお問い合わせください。

投稿者プロフィール

中高一貫校専門 個別指導塾WAYS 編集部

中高一貫校生の定期テスト対策から大学受験・内部進学までをトータルサポートする個別指導塾。
中高一貫校用教材に対応することで各中高一貫校の定期テストの点数に直結した指導を行います。
低料金で長時間指導が受けられるため、家で勉強できない中高一貫校生でも塾の指導時間内で成績を上げることが可能です。
英語、数学をメインに指導を行っています。

最新の投稿

• コラム2024年4月23日中高一貫校の数学についていけない原因と苦手克服法3選！
• コラム2024年4月16日中高一貫校生でも塾が必要なケースがある！4つの判断基準を解説
• コラム2024年4月9日「中高一貫校をやめて高校受験」の前に考えておきたい3つのこと
• コラム2024年4月5日中高一貫校生が大学受験を見据えて中学生のうちにやっておくべきこと5選