実験が先か、理論が先か?物理の進歩を実例から解説!【生徒からの質問】

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とりあえず数学と物理の質問の最終回です。

実験が先か、理論が先か

物理は実験を行ってから、その結果を説明できる理論を構築するのか、理論を構築してから、それを実験で実証するのかどちらなのかよく分からないという質問があるので、先に答えだけ述べておきます。
答えは、「どっちのケースも有る」です。

ケプラーの法則と万有引力の法則

例えばケプラーの法則と万有引力の法則の場合、
ケプラーが惑星の公転周期や軌道などを調べた実験結果をまとめたものです。その後ニュートンが運動方程式から、惑星が太陽を焦点とする楕円運動をするためには、向心力が必要であることから、物体間には万有引力が働いているという理論式を求めました。
この理論式は、当然ケプラーの3つの法則だけでなく、月や彗星のような、太陽系の惑星でない天体の軌道予想にも成功しました。

また、キャベンディッシュの実験という、2つの鉛の玉を使った実験により、万有引力が星のような大きい物体間だけでなく、質量の小さい物体間にも働くことが実験的に示されました。

このように、物理学における理論構築は大抵の場合

実験→実験結果の考察→理論構築→別の実験による再検証

となることが多いです。しかし、現代の物理学の特定の分野では、理論が先行しており、理論→新しい理論→更に新しい理論

というような実験置いてけぼり状態の物理学の分野も存在します。ただし、それは仮説であり、一般理論として認められるためには、再現性のあり実験と、反証可能性を持っていることが必要となります。

 

従来の理論が否定される場合

たまに、「学校で習っている力学って実は嘘なんでしょ?相対論が正しいならなんで高校で間違ってる力学なんて学ぶ必要があるんですか」という疑問を持った生徒がいます。

この質問に対する回答を書いておきたいと思います。

ニュートン力学と相対性理論

前回、物理学にとって、「理論が間違っていた」とはどういうことでしょうか?

基本的には「原理」が間違っていると、前提条件が間違っていることになるので、原理を出発点とした理論全体が間違っていることになります。その為、「ニュートン力学が間違っていた」という文章はニュートン力学を構築する際の基礎原理が間違っていたということを意味しています。では、この例の場合、どのような原理が間違っていたのでしょうか?

ニュートン力学の原理とは何でしょうか?正確には、ニュートン力学では多くのことを原理として仮定しています。その為、一般の教科書にはニュートン力学を構築する際に必要な原理を一々記述しません。何故ならば基礎原理は理論構築をする人にとって常識なことが多いのでわざわざ説明する必要があると思わないからです。今回の例の原理も恐らく多くの人が「当然じゃん」と思うものになっています。

慣性系に対する変換

例えば等速で動いている電車に乗車している時、同じ車両に乗っている人を見ると、動いていないように見えます。これは自分とその人が同じ慣性系(電車の中)にいるからです。もしあなたが電車の外からその人を見た場合、その人はすごい速さで動いているように見えるはずです。それは自分とその人が異なる慣性系(電車の中と外)にいるからです。このような座標系の基準を一般に慣性系と呼びます。

ある慣性系から見た運動と、違う慣性系から見た運動は一般には違うように映るはずです。具体的には上の例のように電車の中と外で電車の中にいる人が動いてないように見えたり、動いているように見えたり変わるわけです。

しかしながら、「違って見える」と言っても実際は同じ運動をしているのだから、ある慣性系と違う慣性系から見た運動はある変換をすれば同じになるはずです。このような変換をガリレイ変換といいます。このガリレイは、あの有名なガリレオ・ガリレイです。偉い人はやはり偉いことをやったからえらいと云われるのですね。

ニュートン力学における慣性系の変換はこのガリレイ変換を用います。このガリレイ変換がどの慣性系の変換に対しても不変で成り立つという原理をガリレイの相対性原理とよびます。ガリレイの相対性原理の内容は「慣性系によって、時間、距離は変化しない」というものです。上の例に例えると「電車の中と外で時間の過ぎ方や、距離の長さは変わらない」というものです。当たり前に見えますね。このような概念を絶対時間・絶対空間と呼びます。要は「誰にとっても、どこでも1秒や1メートルは同じ」ということです。

勘の良い方はお分かりかもしれませんが、このガリレイの相対性原理が相対性理論で否定された原理になります。

何故ガリレイの相対性原理は否定されたのでしょう?

詳しくは書きませんが、単純に言うと「ガリレイの相対性原理では説明できない現象」が測定され、反証されたのです。

つまり、慣性系によって「ものの長さや時間の立ち方が変わってしまう」ということです。このような実験結果を相対性理論ではばっちり説明できるということです。

ニュートン力学の価値は変わらない。

勿論、相対性理論によりガリレイの相対性原理は、「光の速度に近い慣性系においては全く成り立たない」ことがわかりました。しかし、ニュートン力学は慣性系同士の速度が光速度より圧倒的に遅い系では依然として非常に精度の高い予測を可能とする理論体系となっています。

ニュートン力学が「物体の運動を記述できる理論」から「光の速度より遥かに遅い物体の運動を記述できる近似理論」となったわけです。

まとめ

・物理の理論の誕生過程はは実験→理論という流れと理論→実験の両方が存在する。

・物理は原理が反証されることで既存の理論が新しい理論に置き換えられることがある。

・実験手段の進歩により、今まで分からなかったことが分かる。

・否定された理論に価値がないかといえばそんなことはなく、理論が成立する範囲内において、その理論から得られる計算結果はまったくもって正しい。

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