子どもに私立中学を受験させるべき?メリットとデメリットを徹底解説


小学生のお子さんをお持ちの方の中には、私立中学を受験させるべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

お子さんの将来を思って、親主導で受験させるケースも多いですが、すべてのお子さんが私立中学に向いているわけではありません。

そこで本記事では、私立中学のメリット・デメリットを徹底解説し、どのような場合に私立中学を受験するとよいかをお伝えします。

500校以上の中高一貫校生の指導実績を持つ立場から、詳しく解説するのでぜひ最後までご覧ください。

私立中学に進学するメリット6選

私立中学は、倍率も高く、決して楽に入学できるわけではありません。

しかし努力を重ねた結果、合格を勝ち取れれば、お子さんにとっても大きな成功体験となるでしょう。

ここからは私立中学に進学するメリットを6つ紹介します。

わが子の性格に合った学校を選べる

私立中学は、私立学校法により独自の校風や教育方針を持つことが認められているので、親は子どもの個性や興味・関心に合わせて学校を選べます。

例えば、国際教育に力を入れている学校では、ネイティブ教師による英語授業や海外姉妹校との交換留学プログラムが充実しているのが魅力です。

また、理系に強い学校では、最新の実験設備を使った実践的な理科教育が行われています。

芸術やスポーツに特化した学校もあるように、子どもの才能を伸ばす環境を選択できるのです。

大学進学を有利に進められる

多くの私立中学は中高一貫校で、6年間を通じて計画的な進学指導を行っています。

例えば、高校1年生から大学入試を見据えた応用的な内容を学ぶことができ、早い段階から志望大学に向けた対策を立てることが可能です。

また、学校によっては大学の付属校として運営されており、一定の成績を維持すれば内部推薦で進学できるケースもあります。

これにより、受験勉強の負担が軽減され、部活動や資格取得など、多様な経験を積む時間を確保できます。

公立中学から受験する場合と比べ、より計画的かつ効率的に大学進学への道を歩むことができるのです。

質の高い教育を受けられる

私立中学では、独自のカリキュラムや教材を用いて、より高度な教育を提供しています。

例えば、英語教育では、中学2年生で高校レベルの文法を学ぶなど、先取り学習が可能です。

数学では、公立中学の教科書範囲を超えた発展的な問題に取り組み、論理的思考力を鍛えます。

また、少人数制のクラス編成により、一人ひとりの理解度に合わせたきめ細かい指導を受けられる学校もあります。

高校受験をしなくてよい

中高一貫校では、高校受験がないことが大きなメリットです。

公立中学の生徒が中学3年生で受験勉強に追われる中、私立中学の生徒は自分の興味関心に応じた活動に時間を使えます。

例えば、文化祭や体育祭などの学校行事に全力で取り組んだり、部活動で全国大会を目指したりできるでしょう。

学力だけでなく、創造性や協調性など、将来社会で必要となる幅広いスキルを育むことができるのです。

充実した設備が整っている

生徒が充実した環境で学べるように、設備投資に力を入れている私立中学も多いです。

例えば、最新のICT機器を完備した教室では、タブレットを使った双方向型の授業が行われ、教員が生徒の理解度をリアルタイムで確認しながら授業を進めます。

オールウェザー型陸上トラックや温水プールなど、年間を通じて快適に運動できる環境が整っている私立中学も。

付属大学のある私立中学の場合、大学と連携した授業を受けられるなど、多様な学びの機会を提供しています。

教員と信頼関係を築きやすい

私立中学では、教員の異動が比較的少ないため、生徒と教員の間で長期的な関係性が築きやすいのもメリットです。

例えば、1年生の担任の先生が3年生になっても別の役割で関わり続けるなど、継続的な関わりが可能です。

このような環境から、教員は生徒の性格や学習スタイルを理解した上で、個々に合わせた指導を行えます。

信頼関係が構築されることにより、進路や学校生活の悩みなども気軽に相談できる雰囲気が生まれやすくなるでしょう。

公立中学と比べ、より一貫した指導とサポートを受けられる点が、私立中学の大きな魅力の1つです。

私立中学へ進学するデメリット|気をつけるべきことは3つ

私立中学は多くのメリットがあり、進学先として魅力的ですが、気をつけなければならない点もあります。

進学を考える上で、次のような可能性があることを把握しておきましょう。

中だるみする可能性がある

中高一貫校の生徒は、「中だるみ」と呼ばれる学習意欲の低下に陥りやすい傾向があります。

中だるみに陥ってしまう主な原因は以下の通りです。

  • 入学後の安堵感による気が緩む
  • 高校受験がないことによって目標を持てない
  • 高度な授業内容についていけずに勉強への意欲が低下する

中だるみに陥ると、成績が下がるだけでなく、遅れを取り戻すにも、多大な努力を要します。

経済的な負担が大きい

私立中学進学の最大のデメリットとして挙げられるのが、高額な授業料の負担です。

現在のところ、私立中学は無償化の対象外であり、年間の学費は100万円を超えることも珍しくありません。

文部科学省の「令和3年度 子供の学習費調査」によると、私立中学の3年間の学校教育費は約317万円です。学校外活動費が約110万円なので、3年間の教育費は約427万円に上ります。

ちなみに、公立中学の場合、3年間の学校教育費は約39万円、学校外活動費は約110万円で、教育費は合計で約149万円です。

私立中学に進学させる場合は、家計への影響を十分に考慮し、長期的な資金計画を立てる必要があります。

奨学金制度の利用や学費ローンの検討も有効な選択肢となるでしょう。

新たに人間関係を築く必要がある

私立中学への進学は、新しい人間関係をゼロから構築することを意味します。

特に遠方から通学する場合、この課題は顕著です。

慣れない環境での友人作りに苦労する生徒もいるでしょう。

また、私立中学は似た背景の生徒が集まりやすいので、共通点の多い仲間と出会いやすい一方、人間関係の幅が限られる可能性もあります。

入学前の交流会や部活動に参加するなどして、他の生徒とコミュニケーションを取っていくのがおすすめです。

私立中学を受験させるべき?目的を明確にするのが大事

メリットの多い私立中学ですが、すべてのお子さんに適しているわけではありません。

中だるみしやすいタイプのお子さんは、入学しても場合によっては成績が伸びず留年や退学の心配もあります。

私立中学が向いているのは、進学する目的がはっきりしているお子さんです。

進学の目的は、大学進学やその学校の教育に興味がある、留学制度を活用したいなどが考えられるでしょう。

受験を検討する際は、お子さんの適性と意欲を見極めることが重要です。

「周りが行くから」という理由や親の希望だけでは不十分です。

学校選びでは、教育方針やカリキュラムが子どもの目標に合致しているか、通学や経済的負担が適切かを考慮しましょう。

家族で十分に話し合い、お子さんの適性と希望を第一に考えながら、慎重に判断することが、私立中学の環境を最大限に活かすカギとなります。

まとめ

私立中学に進学すれば、大学受験にも有利になることがあり、お子さんの将来を見据え受験しようとお考えの親御さんもいるでしょう。

しかし、私立中学には向いている人とそうでない人がいます。

わが子にはどのような教育が適しているのかを見極めたうえで、中学受験させるかどうかを検討しましょう。

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