【中高一貫校】成蹊中学校の教育・評判を徹底解明

成蹊大学の系列校である、成蹊中学校。

安倍晋三元首相の出身校としても知られており、「お金持ちの学校」というイメージがある人も少なくありません。
しかし、実際にはどのような学校なのか、気になっている人もいるでしょう。

今回は、そんな成蹊中学の学校生活、教育、評判について解明していきます。
進学先を探している人は、学校選びの参考にしてください。

基本情報

沿革

1912年、成蹊中学校の前身となる成蹊実務学校が創設されました。
「中学校」として始まったのは1914年で、
1948年には新制中学校として新たに創設され、現在に至ります。

建学の精神

成蹊中学校は、建学の精神として、

個性の尊重

品性の陶治

勤労の実践

の3つを挙げています。
個性と品性を育みつつ、知識の教育に偏らない実学的な学びを重視する、創設者の中村春二の思いが込められた理念になっています。

また、「成蹊」という学校名は、『史記』の「桃李ものいはざれども、下おのづから蹊(こみち)を成す」という言葉から来ています。
この言葉は、「人格ある人のもとには、その徳を慕って人々が集まってくる」という意味だそうです。

施設

すべてのホームルームに、大型ディスプレイとネットワーク環境が備わっています。
フリースペースと呼ばれるスペースは、生徒同士がコミュニケーションを取れる場として設置されています。
多目的に利用できる中学生徒ホールは、昼食や勉強、おしゃべりなどに使用されているようです。

図書館には15万件の蔵書、資料があるほか、コミックやＤＶＤなども貸し出しができます。
帰国生向けの英文書籍も全体の2割を占めており、国際性が高いことがうかがえます。

物理、化学、生物、地学の授業は、理科館と呼ばれる専用の校舎で行われます。
屋上に設置された天文ドームには、コンピュータ制御の15㎝屈折望遠鏡があり、天文気象部が観測を毎年実施しています。

グラウンドには「中高グラウンド」「野球場」「サッカー&ハンドボールコート」「けやきグラウンド（400m競馬場・ラグビー場)」「中高テニスコート」「テニスコート」の6種類、体育館には「第一体育館」「第二体育館」の2種類があります。

校則

携帯電話の持ち込みや、登下校中の寄り道は禁止されています。
また、登下校は原則徒歩と公共交通機関のみですが、自転車通学は居住地域によっては認められるようです。
制服は、男子は詰襟（学ラン)､女子はセーラー服の指定があります。

教育

3ステップの教育

成蹊の中高一貫教育は、3つの学習ステージにわかれています。

中学1年～中学2年生は導入期教育にあたります。
目標は生活習慣と学習習慣の確立です。
ほかにも、美術や家庭科などで身体を使って感性を育みます。

中学3年生～高校1年生は充実期教育にあたります。
目標は、知的好奇心、科学的探究心の向上です。
この時期に、将来の夢を大まかに描くようです。

高校2年生～高校3年生は発展期教育にあたります。
目標は、充実期教育で描いた目標を明確な進路として具体化することです。
高校3年生になると、進路に合わせた18コースから自分の夢に合ったコースを選びます。

カリキュラム

成蹊中学校のカリキュラムは、5教科が細分化されています。
社会は「地理」「歴史」「公民」の3つに、理科は「生物」「物理」「化学」「地学」の4つに分かれています。
国語も「Ⅰ」「Ⅱ」の2種類です。
「国語Ⅰ」では現代文や古文の読解、「国語Ⅱ」では読書や感想文の執筆、修学旅行の事前学習などを行います。

分化の目的は、学習目標が明確化することで、生徒の集中度を上げることのようです。

本物に触れる

「実学重視」の理念から、とくに理科科目で「本物に触れる」教育に重きを置いています。
地学では旧制高校時代から保管されている標本、生物ではイカやハマグリ、サメの解剖を授業で取り扱うようです。
ほかにも、植物の観察、さらに希望者は天体観測や化石の採集ができるなど、実験実習が充実しています。

国際学級

帰国生は、中学1年生の際は少人数クラスに配属されます。
これは、日本への適応を目指すことで、中学2年生での一般学級への移行を目指すためです。
一般学級に配属された後も、希望者は「帰国生英語特設クラス」での授業ができます。

留学

成蹊中学校は、数多くの海外の学校と提携しており、それを通じた国際交流を行います。
アメリカのセントポールズ校、カリフォルニア大学デービス校、チョ―ト・ローズマリー・ホール校、フィリップ・エクセター・アカデミー校、オーストラリアのカウラ校、イギリスのケンブリッジ大学、デンマークのルンステッド高校、スウェーデンのカルマーレ国際高校、合計8校の学校へ留学が可能です。

また、国内でも、2種類のプログラムが用意されています。
イングリッシュ・シャワープログラムでは、校内で2日間の英国の文化や表現に触れられます。
エンパワーメントプログラムでは、アメリカの大学生・大学院生に対して自らの夢を英語で伝えるプログラムです。

進路

ほとんどの生徒が、成蹊高等学校へ進学します。
成績と出席状況等が一定の条件を満たせば、高等学校からの推薦が与えられるようです。

大学進学については、成蹊高校の約20％の生徒が成蹊大学へ進学しています。
残りの70％は外部の大学を受験します。
進学先は、東京大学、東京工業大学、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、医学部などの難関大学が中心です。
また、海外の大学へも毎年数名います。

学校生活

イベント

体育祭は、9月に開催され、学年を超えたクラス対抗で競い合います。
企画や運営は生徒主体で行い、用具の準備・選手の召集・審判・得点掲示・放送はすべて生徒が担います。

文化祭は蹊祭（こみちさい)と呼ばれ、中高合同です。
展示、模擬店、イベント、公演などがあり、来場者は例年1万人を超えるそうです。
自作ロケットの打ち上げや、フィンスイミング日本代表と水泳部の対決など、独自の企画が多数行われます。

中学3年生の修学旅行では、京都・奈良をめぐります。
「本物に触れる」という観点から、授業で学んだ内容を実際に体験することに重きを置く行事です。

ほかにも、狂言や伝統芸能鑑賞、プラネタリウム見学、雅楽鑑賞、合唱祭など、様々な行事が開催されます。

部活動

15の運動部、14の文化部、合計で29の部活動があります。

女子硬式テニス部は強豪と言われており、2007年からは毎年全国大会に出場しているそうです。
近年だと、男子硬式テニス部、女子バスケットボール部、ラグビー部、女子ソフトテニス部が地区大会などで成績を残しています。

また、全国有数のストリングス部がある点は特徴的です。
弦楽器を演奏する部活動で、年に3回の校内演奏会のほか、老人ホームや幼稚園での演奏会を行っています。

評判

肯定的な意見としては先生に関するものが散見されました。
「博識な先生が多く、授業が面白い」「イベントでは先生も一緒に頑張る」といった評判があり、生徒との距離感の近さを感じさせます。

また、施設が充実しているという意見も見られました。
豊富な種類のグラウンドや理科館などが、高い評価を得ているようです。

否定的な意見として生徒同士の価値観の違いに関するものがありました。
「お金持ちの家の出身の子が多い」「金銭感覚が合わないことがある」など、異なる環境で育った子とのギャップを感じるという評価がされています。
しかし、それが原因で仲たがいすることはなく、生徒同士の仲は内部と外部や性別に関係なく良いそうです。

その他

YouTube上に、学校紹介の動画がアップロードされています。
マスコットキャラクターや生徒による学校紹介のほか、在校生や卒業生によるメッセージ動画もありました。

▼YouTubeチャンネル
成蹊チャンネル

アクセス

西武池袋線 保谷駅 吉祥寺駅行（西武バスー吉63)「慈雲堂前」下車、バス停より徒歩10分
西武池袋線 保谷駅 吉祥寺駅行（西武バスー吉66)「武蔵野第四小学校」下車、バス停より徒歩10分
西部池袋線 大泉学園駅 吉祥寺駅行（西武バス)「武蔵野第四小学校」下車、バス停より徒歩10分
西武新宿線 西部柳沢駅 吉祥寺駅行（関東バス)「成城学園前」下車、バス停より徒歩10分
西武新宿線 武蔵関駅 三鷹駅行（関東バスー鷹02)「緑町住宅」下車、バス停より徒歩10分
西武新宿線 武蔵関駅 南口下車、徒歩20分
JR中央線・総武線 三鷹駅 北裏、武蔵関駅、田無橋駅、柳沢駅行（関東バスー鷹01・02・03、吉40)「緑町住宅」下車、バス停より徒歩10分
JR中央線・総武線 吉祥寺駅 （北口1，2番より関東バス)「成城学園前」下車、バス停より徒歩8分