国際基督教大学高等学校高校2年数学B期末考査講評

今回、吉祥寺教室では国際基督教大学高等学校(ICU付属)高校2年の数学B(理系クラス)の2学期期末試験の講評を行います。

試験範囲と問題数

今回の数学Bの試験範囲は数列とその和です。漸化式や数学的帰納法は範囲に含まれていません。大問がA~Fの6問ありました。
ただ、和の公式を覚えていればそれだけで解けるという問題はほぼゼロです。
単純な等差・等比の形式の問題も1問も無いので、勉強不足の人は0点を取る可能性すらあります。

難易度

ICU付属では数学の問題集として4stepを使用していますが、明らかに4stepには載っておらず、4stepより難易度の高い問題が幾つかあります。正確に言うと半分D~Fは4stepに載っていないです。
ただ、指定問題集を解いているだけでは高得点が取れないという意味で、自力が問われるテストです。

各問題の解説

A

Snを求めろという問題ですが、等比と等差が混じったような数列の和になっているために単純に∑公式に代入して答えを求めることは出来ません。
Snに何倍かしたものからSnを引いて、単純な数列形式に戻す必要があります。
これは4stepにも載っている、比較的オーソドックスな解答なのでこの試験レベルでいえば解けなくてはいけません。

B

数列の一般項{an}を求めろという問題ですが、やはり単純な等差、等比数列ではないため、各項の差を取って見ましょう。
a2-a1=1, a3-a2=3, a4-a3=6, a5-a4=10, a6-a5=15 と一見規則性が見えませんが、差の差を取ると規則性が見えてきます。
2回差を取るというのは面倒ですが仕方ありません。根気よく解きましょう。

C

anとbnという2つの数列の関係式が成り立つ時に
{an}は等差数列⇔{bn}は等差数列
を示すという問題です。
正直に言えばそれほど難しい問題ではないのですが、同値なので、
{an}は等差⇒{bn} は等差だけでなく、
{bn}は等差⇒{an}は等差
も示さなくてはいけないので注意しましょう。それで減点を取られる人が多く出そうな問題です。

D

(1)と(2)に分かれています。

(1)

(1)はある数列{an}の和Snが分かっている時に
∑k×akの和Tnを求めるという問題です。
これはSnからanを出せば求められます。具体的にはSn-Sn-1を計算するという形です。

(2)

T(n+1)>Tnが成立する定数の範囲を求める問題です。
この手の問題は割り算でTn+1/Tn>1として範囲を決めるか、Tn+1-Tn>0として範囲を決めるかが常套手段です。
どちらが良さそうか判断して解いていきましょう。
これは注意事項ですが、微分を習得している生徒の中には、これを関数と置いて微分して単純増加関数と仮定すれば定数の範囲なんてすぐ求まるんじゃないかと思う人もいるかもしれませんが、数列は自然数(1,2,3…)を用いた離散的な数学なのに対して関数はxを実数とみなし連続的に扱う数学なので、計算が一致する保証がありません。ICU理系クラスは、微分をやっていないはずですが、先取り学習している人はその旨注意してください。

E

ガウス記号が出てきます。ガウス記号の説明もされているので、「意味がわからない!」と直ぐに諦めないで下さい。
数列の一般項anを[logn]などとした際に数列の和を求める問題です。
一見すると超難問です。対数の和は積の計算に変換できますが、今回はガウス記号が付いているのでそれでは解けそうにありません。
この問題はシグマ記号を外して実際に数列の和を書き出して、ガウス記号を外す作業を行ってみましょう。規則性が見えてきます。
規則性が見えれば、あとはそれほど難しい問題ではありません。ただ、和の範囲には注意して下さいね。

F

これも(1),(2)に分かれています。ただ、(1),(2)という前に、問題の意味が分からなかった人が多かったのではないでしょうか?

(1)

S3,S4を求めろということなので、まずS3について具体的に説明します。
{1,2,3}から異なる2つを選び、全ての組み合わせについて2つの差の2乗を足し合わせればいいので
Sn=(1-2)^2+(1-3)^2+(2-3)^2=1+4+1=6といった形でしょうか。組み合わせなので(2-1)^2などは入れなくて良いはずです。

(2)

Snを求めろです。
「どれだけの組み合わせになるんだよ!?計算できるか!」と言う声が聞こえてきそうですが、計算は出来ます。
まず、見通しを良くするため、2数の片方がnであるものを考えましょう。そうすると残りの1数は1~(n-1)になるはずです。次に片方の数が(n-1)になるものを選んでとやっていけば、規則性が見えていくはずです。
ただ、これだけでは和を求めるのは大変なので、その後、同じ値になる物同士を探していきましょう。
その後はAのようなやり方を使えれば、見事和Snが求まるはずです。

まとめ

流石ICUという感じで、ただシグマの公式を覚えていれば解ける単純な基礎問題は存在せず、応用問題も少し捻っているため、考え、手を動かさないと完答は出来ないテストでした。
数列の一般項や和の問題の中には実際に書き出して計算してみることによって規則性が分かるものも多いです。
今回の問題の場合、E,Fは実際に書き出して見ないと規則性が見えてこないため、頭で考えて解き方が分からないので諦めてしまう人は、解答に行き着かないでしょう。
それではもったいないので、「やり方が分からないから解けない」ではなく、「何か色々書き出してみれば規則性が見えてきてやり方が分かってくるかもしれない」という気持ちでいた方がいいです。
そして数学の応用問題はそういうものが多いので、常にそのような気持ちで望むようにしましょう。

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堤健之

堤健之

個別指導塾WAYS 吉祥寺教室 室長 教育で感銘をうけた言葉は山本五十六の「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」

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2016年12月20日