海城高校1年数学1期末考査講評

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今回は海城高校1年の数学1の期末考査の講評を行います。
大問5つ、大問1はのみ図形と方程式の範囲から出ている座標問題で、[2]-[5]は全て複素数と方程式の範囲からの出題です。ちなみに難易度は数学Aと比べて難しい問題が多いです。正確には、特に複素数と方程式は問題の解き方のパターンを知らなくても、力づくで解ける問題が多いです。その為、パターンに気づかないまま、時間をかけて力づくで問題に挑んでしまい、思わぬ時間を使ってしまう可能性があります。また、因数定理を用いなければならない場面が多く存在します。因数定理を使えば原理的にいえばどんな解も求まるのですが、良い解が思いつかなければ一向に解けない場合もあるので、50分という時間の中でこの問題数を解き切るには、相当の演習量をこなすだけではなく、ある程度の勘も必要になります。

1:内分、外分問題

小問が3問で(1)は内分点の座標、(2)は外分点を求める問題、(3)はy軸上で2点と等距離にある座標を求める問題です。内分、外分、距離の公式さえ分かっていれば全て解けます。
大問1はこのテストの中で1番「基本そのまま」なので、落とさないようにしましょう。

2:解が複素数範囲の方程式

小問が6問あり、かなり解くのが面倒な問題が混じっています。見る限り(2),(5)は時間がかかることが予想されます。他にもやり方が分からないと無駄に時間のかかるものが多いので、この手の計算が煩雑そうな問題は30秒みてやり方がさっぱりわからない場合は後回しにすることをおすすめします。
(1):簡単です。2次方程式の解の公式を用いれば一発です。
(2)2次方程式なので、普通に解の公式を用いれば答えは出しますが、係数にルートと整数の足し引きがあるため、2重根号を外す必要が出てくるため計算ががかなり煩雑になります。まず、ルートのたすき掛けをするのがセオリーなのですが、この問題の場合ルートと整数で分けると、因数定理からxが整数解を一つ持つことが分かるので、そこからもう一つの解を導ければ、ある程度短い時間で問題を解くことが出来るでしょう。
(3)3次方程式の問題です。3次方程式の場合因数定理を用いて問題を解くのが一般的です。因数定理で整数解を出し、残りの解を求めましょう。
(4)こちらも3次方程式の問題ですが、よく見ると3乗-3乗の形に変換できるので、そこから因数分解をしましょう。(a-b)^3 = (a-b) (a^2 + ab-b^2)の形に変換できれば勝ちです。
(5)4次方程式です。3乗の項が分数になっているので、解に分数が含まれているか、その分母の倍数が解になっていることが予想されます。そこから因数定理です。しかし、4次方程式までいくと、因数定理一つとっても時間がかかるためかなり時間のかかる問題になります。
(5)2次方程式の係数に複素数が含まれている問題です。実数解を求めろというのは、大ヒントなので、複素数の相当条件を使い、実数項と虚数項を分けて計算しましょう。

3:剰余の定理、解と係数の関係

小問が4つで、問題自体はオーソドックスなものが多いので落とさないようにしましょう。
(1)剰余の定理のオーソドックスな問題です。
(2)3次方程式の解がα、β、γのときα2+β2+γ2を求めろという問題です。解と係数の基本対称式を使い求めていきましょう。
(3)未知数入りの3次方程式があり、一つの複素数解がわかっている時に、他の解を求めろという問題です。方程式の解に複素数がある場合、もう一つ、共役の複素数の解があることを覚えていれば、そこから比較を行って未知数と解を決定できるはずです。
(4)x3=8の複素数解をωとした時の5乗+4乗の求めろという問題です。因数分解をすれば道がひらけます。

4:未知数いり方程式の実数解条件

小問が3個で、さらに(1)は3問に分かれています。
(1)は条件を考えていけば答えを出すのは難しくありませんが、(2),(3)は解き方によっては、時間がかかるので注意して下さい。
(1):実数に対する同一条件
実数α,βに対して、
ⅰ)α>0, β>0
ⅱ)α<0, β0, β<0
と同一条件を示せという問題です。足した場合とかけた場合がどうなるかを考えて答えましょう。

(2)未知数入り2次方程式の解から未知数の範囲を決める。
方程式の実数解が2つとも、ある値より大きい時に、未知数の範囲を決める問題です。判別式から決まる範囲の他に、恐らく(1)ⅰ)を用いてα, βの条件を決めて、範囲を決めるのだと思いますが、そんなことをしなくても、解の公式を使い、不等式を立てれば範囲は決まるので、あまり悩まないでやって下さい。

(3)2つの解のうち、少なくとも1つの解は正の値を持つような未知数の取りうる値の範囲を求める問題です。ⅱ)、ⅲ)を使い条件を決めても構いませんし、解の公式を使っても構いません。両方計算してみましたが、解の公式を使ったほうが若干早く、範囲が求まる気がします。全く問題作成者の意図には沿っていませんが。

5:未知数入りの3次方程式

小問が2つです。解が思いつかなければ解けないです。
(1)3次方程式の因数分解
3次の係数以外の全てに未知数が入っている3次方程式を因数分解しろという問題です。この問題は勘に頼るところが大きく、「恐らく解の一つには未知数が入るだろうな」と思い、因数定理を使わなければ解けません。色々値を代入していると、時間が足りずに終わるでしょう。
(2)実数解がただ一つになるように未知数の範囲を決めろという問題です。
実数解が一つというのは、3重解も含むことに注意しましょう。

まとめ:

全体的に計算が煩雑だったり、かなり多くの解法パターンを理解していないと時間のかかる問題がいくつか見受けられました。
それほど難しくない問題と、時間がかかる問題が混ざる形で出題されていたので、時間のかかる問題に長々と時間を使ってしまうと、解ける問題を解く時間がなくなってしまいます。まず、解けそうな問題から解いていき、その後、時間のかかる問題を解きましょう。

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